『ワース 命の値段』は、アメリカ同時多発テロの補償基金の特別管理人となった弁護士を描いた作品

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目次

作品データ

原題

Worth

ジャンル 

社会派ドラマ

監督 

サラ・コランジェロ

出演 

ケン・ファインバーグ:マイケル・キートン

チャールズ・ウルフ:スタンリー・トゥッチ

カミール・バイロス:エイミー・ライアン

リー・クイン:テイト・ドノヴァン

カレン・ドナート:ローラ・ベナンティ

デデ・ファインバーグ:タリア・バルサム

バート・カスバート:マーク・マロン

製作国 

アメリカ

公開年 

2021年

上映時間 

118分

あらすじ

ここからは、ネタバレ多少あります

2001年、アメリカ同時多発テロ事件がおこり多くの被害者が出ました。

政府は訴訟を避けるため、遺族らに基金を設立し補償金を支払うことを決めます。

ケン・ファインバーグは、政府から特別管理人に任命され、約7000人の被害者と遺族に一律ではなく、収入に応じた計算式で補償金を算出することになります。

しかし、1人1人の被害者たちの気持ちを考慮しない方法に対して、遺族たちは激しく怒り抗議します。

特に、妻を亡くしたチャールズ・ウルフは、ケンの提案に反対するブログを立ち上げ、多くの支持を集めます。

ケンは、ウルフとの対話や、さまざまな事情を抱える遺族たちの話を聞くうちに、自分の考え方に疑問を抱き始めます。

補償金の金額だけでなく、人間の命の価値や意味についても考えるようになっていきます。

鑑賞後の感想

この映画からは、主人公のケンたちと一緒に、人の命や尊厳などお金では換えが効かないものの大切さについて色々と考えさせられました。

興味を持たれた方は、ぜひご覧になってみてください。

物語

ここからは、多くのネタバレがあります

2001年9月11日、アメリカは同時多発テロ事件によって未曾有の惨事に見舞われ多くの人々の命が奪われました。

アメリカ政府は、訴訟を避けるため被害者と遺族に対して、基金を設立し補償金を支払うことを決定します。

その保証金算出事業の特別管理人の任にあたったのは、ワシントンの弁護士ケン・ファインバーグでした。

彼は、被害者の職業や年収、家族構成などをもとに、補償額を算出することになります。

遺族たちが補償金を受け取るためには、ケンのプログラムに参加することが条件となりました。

しかし、彼の補償金額を算出する計算式は、遺族たち1人1人の感情や事情を全く考慮していませんでした。

彼らは、自分たちの愛する人の命が計算式で算出された金額で評価されることに憤りや悲しみを感じ、ケンに対し激しく反発しました。

特に、妻を亡くしたチャールズ・ウルフは、プログラムに強く反対し、ブログ記事で他の遺族たちにも訴えかけ多くの支持を得ます。

彼は、ケンに対して、補償金の額ではなく、被害者や遺族たちの人間性や尊厳を尊重することを求めました。

ケンは、自分のやり方が正しいと信じていましたが、次第に自分の考えに疑問を抱くようになっていきます。

彼は、遺族たちと面談し彼らの声に耳を傾けるようになります。

そして彼らの人生や苦悩を知ることによって、命の値段を決めることの難しさについて深く考えていくことになります。

彼は、自分の仕事を成し遂げる使命感と、命の値段をどのように決めるかの難しさの間で葛藤し続けます。

そして遺族らとの面談を重ねていき、計算式は脇に置き、個別の事例に応じて柔軟に対応していくようになります。

しかし、それでもなおプログラムに参加しない遺族たちが多くいました。

そしてついにケンは、チャールズ・ウルフと和解することが出来ました。

彼は、ケンの遺族への対応の変化により彼を信頼するようになり、ブログで補償基金が修正されたと宣言しました。

それにより遺族たちの95%以上がプログラムに参加することになりました。

ネタバレ含む感想

大切な家族を失った様々な事情を持つ遺族たちと対面し、思いを聞くうちに、事務的に計算式を使って解決しようとしていたケンたちの考えが変わっていく過程がよく描かれていたと思いました。

まとめ

映画『ワース 命の値段』は、9.11テロの被害者遺族7,000人に補償金を分配した弁護士たちが主人公の感動的な実話を描いた作品です。

この社会派ドラマは、アメリカ政府が遺族に補償金を支払い、集団訴訟を回避しようとした際、遺族たちが「お前らの基準で命に値段をつけるな馬鹿野郎」と怒り出し、それを弁護士たちがなだめるストーリーを描いています。 

人々の命をどう算出するのかという究極の難題に挑む姿勢が感動的であり、この映画は社会的な問題に深く考察を促すものとなっています。

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