作品データ
原題
Last Night in Soho
ジャンル
サイコロジカルホラー
監督
エドガー・ライト
出演
エロイーズ・ターナー（エリー）：トーマシン・マッケンジー
サンディ：アニャ・テイラー＝ジョイ
ジャック（サンディの恋人）：マット・スミス
コリンズ(下宿屋のオーナー)：ダイアナ・リグ
ペギー・ターナー（エリーの祖母）：リタ・トゥシンハム
銀髪の男：テレンス・スタンプ
ジョン（エリーの恋人）：マイケル・アジャオ
製作国
イギリス
公開年
2021年
上映時間
118分
あらすじ
ここからは、ネタバレ多少あります
ファッションデザイナーになる夢を持つエリーは、何かを見たり感じたりする能力を持っています。
そして、彼女はロンドンのデザイン学校への入学が決まり、旅立つことになります。
しかし、寮での生活に馴染めず、ソーホーにある古い家の屋根裏部屋を借りることにします。
そこで彼女は、夜になると1960年代のソーホーにタイムスリップし、歌手を目指すサンディと一体化するような夢を見るようになります……。
鑑賞後の感想
60年代のロンドンの華やかで幻想的な世界を表現した映像美を堪能できました。
また、その華やかさの裏の世界が描かれていて興味深かったです。
興味を持たれた方は、ぜひご覧になってみてください。
物語
ここからは、多くのネタバレがあります
イギリスの田舎町から出てきたファッション学校生エリーは、ソーホーでコリンズが営む下宿屋の一室を借り、新生活を始めます。
不思議な能力を持つエリーは、夜な夜な60年代のロンドンにタイムスリップし、そこでクラブ歌手志望のサンディと一体化するような体験をしては目が覚めるという日々が始まります。
エリーが憧れるスウィンギング・ロンドンの華やかさそのものに見えたサンディは、次第に恋人のジャックの指示でストリップまがいのショーの踊り子や売春を強いられていきます。
エリーは夜ごとにサンディーの苦悩を目撃し、夢と現実の間で混乱していきます。
ある夜、サンディが自分の部屋でジャックに殺される場面を体験し、エリーはアルバイト先のバーの常連客の銀髪の男がジャックの成れの果てではないかと疑い、警察に行きます。
しかし、精神錯乱を疑われてしまいます。
過去に自分の部屋で実際に殺人事件があったのではないかと考えたエリーは、図書館で60年代のソーホーでの殺人事件を調べ始めます。
ところが幻覚に襲われてしまい、耐えきれなくなってソーホーの部屋を出る決心をします。
荷物をまとめに戻ったところでついに真相を知ることになります。
サンディは、下宿屋のコリンズの若い頃の姿だったのです。
そしてジャックや、夜な夜な部屋へやって来た男達を自分の夢を潰された復讐心から殺してしまったのでした。
そして真相を知ったエリーのことも殺そうとしますが、失敗に終わります。
建物が炎に包まれコリンズはその中で死んでしまいました。
その後、エリーのデザインした60年代風のファッションのショーが成功を収めました。
ネタバレ含む感想
夢を持っていた60年代のファッションに身を包んだサンディは、とても魅力的だと思いました。
しかし、悪い人間達に利用され歌手や女優にはなれず、転落していく描写が見ていて辛かったです。
そして、ラストで悲劇的な最後を迎えてしまいましたが、エリーはサンディのファッションからインスパイアされ、デザイナーとしてショーを成功させることができて、良かったと思いました。
まとめ
『ラスト・ナイト・イン・ソーホー』は、2021年に公開されたイギリスのサイコロジカルホラー映画です。
主人公のエリーは、1960年代のロンドンに憧れる、ファッションデザインを学んでいる学生ですが、夢の中で歌手志望のサンディと一体化する体験をします。
しかし、サンディの人生は次第に暗転し、エリーはサンディの苦悩と恐怖を目撃することになります。
サンディは、男性による支配や暴力に苦しめられる女性の代表として描かれています。
エリーは、サンディの運命を変えようとし、その過程で自分も危険にさらされます。
この映画は、女性の声を聞くことの重要性や、女性の力を奪うことの恐ろしさを訴えています。
また、この映画の魅力は、音楽や映像などの趣味性も高いことです。
1960年代のポップスが多数使用されており、スウィンギング・ロンドンの華やかさや懐かしさを感じさせます。
この映画は、夢と現実、過去と現在、美しさと暴力の対比を、見事に表現した作品です。
