作品データ
原題
To Kill a Mockingbird
ジャンル
クラシック
監督
ロバート・マリガン
出演
アティカス・フィンチ:グレゴリー・ペック
スカウト:メアリー・バダム
トム・ロビンソン:ブロック・ピータース
ジェム:フィリップ・アルフォード
ディル:ジョン・メグナ
シェリフ・ヘック・テイト:フランク・オバートン
モーディ・アトキンソン:ローズマリー・マーフィ
ミセス・デュボース:ルース・ホワイト
カルパーニア:エステル・エバンス
判事・テイラー:ポール・フィックス
メイエラ・ヴァイオレット・ユーエル:コリン・ウィルコックス
ボブ・ユーエル:ジェームス・アンダーソン
ステファニー・クロフォードおばさん:アリス・ゴーストリー
ブー・ラドリー:ロバート・デュヴァル
ミスター・ギルマー:ウィリアム・ウィンダム
ウォルター・カニンガム・シニア:クラハン・デントン
ネイサン・ラドリー:リチャード・ヘイル
製作国
アメリカ
公開年
1962年
上映時間
129分
あらすじ
ここからは、ネタバレ多少あります
物語は、成長したアティカスの娘スカウトが昔を回想する形式で語られます。
人種差別が根強い1930年代のアメリカ南部で、白人女性に対する暴行事件が起こります。
弁護士アティカス・フィンチは暴行容疑で逮捕された黒人青年の弁護を引き受けます。
アティカスは正義感と人間性を持って裁判に臨みますが、陪審員は全員白人であり、無実のトムに罪を着せ有罪にします。
原作はハーパー・リーの同名の小説で、ピューリッツァー賞を受賞しました。
鑑賞後の感想
重いテーマの映画でしたが見応えのある作品でした。
多数派の悪に屈せず正義を貫こうとするアティカスに感動しました。
子供たちから見た大人たちの世界という描かれ方で重いテーマの映画ですがファンタジックな作風でした。
興味を持たれた方は、ぜひ鑑賞してみてください。
物語
ここからは、多くのネタバレがあります
アラバマ州の田舎町メイコムに住むスカウトとジェムは、弁護士の父親アティカスと一緒に暮らしています。
母親は亡くなっており、メイドのキャルが家事を手伝っています。
スカウトとジェムは、近所に住む謎の男ブー・ラドリーに興味を持ち、その家に忍び込もうとしますが、失敗に終わります。
ある日、アティカスが白人女性メイエラ・ユーエルを暴行したとされる黒人青年トム・ロビンソンの弁護を引き受けることになります。
アティカスは人種差別に反対する人物ですが、町の白人たちは彼の行為に反感を持ちます。
裁判が始まりますが、陪審員は全員白人男性です。
アティカスは、メイエラの怪我が左利きの人物によるものであること、トムの左腕が不自由であること、メイエラの父親ボブが左利きであり、娘に暴力を振るっていたことなどを証言します。
しかし、陪審員はアティカスの主張に耳を傾けず、トムに有罪の判決を下します。
トムは判決を受け入れられず、脱走を試みますが、警官に誤って撃たれて死亡してしまいます。
アティカスはトムの家族に哀悼の意を表しますが、ボブはアティカスに恨みを持ちます。
ハロウィンの夜、スカウトとジェムは学校の仮装パーティに参加します。
帰り道、二人は誰かに襲われますが、ある人物が現れて二人を助けます。
スカウトはその人物がブー・ラドリーであることに気づきます。
ブーは怪我をしたジェムを家まで連れて行きました。
保安官のヘックは、襲ってきた人物がボブ・ユーエルであることを告げます。
ボブは脇腹を刺されて現場に倒れており、すでに亡くなっていました。
ボブはアティカスに復讐するためにスカウトとジェムを狙ったのです。
ヘックは、ボブは自分でナイフで刺して死んだということにすると言い、アティカスはそれに同意します。
スカウトはブーを家まで送りました。
ネタバレ含む感想
アティカスの正義感に感動しました。
また、無邪気な子供たちの姿が印象的で重いテーマの映画を明るくしてくれていました。
黒人への差別だけではなく、自分の家族である白人女性を暴力で支配したり、子供たちを襲ったりする人種差別をする大人の白人男性たちの醜さがよく描けていたとおもいます。
それとは逆でトムは紳士的な黒人男性ですが、有罪にされ亡くなってしまい残念でした。
トムは少しお人好しすぎたのではないかと思いました。
もう少し自分の身を守るために、人を疑うことも必要だったのではと思いました。
また、アティカスやキャル、ブーといった子供たちに惜しみない愛情を注ぐ魅力的な大人たちが描かれていて良かったです。
子供たちから見た大人たちの世界という描かれ方で重いテーマにもかかわらず、ファンタジックな作品でした。
まとめ
映画『アラバマ物語』は、人種差別の根強いアメリカ南部を舞台に、黒人を弁護する勇気あふれる弁護士アティカスの姿を、娘の視点から描いた感動的な人間ドラマです。
この映画のテーマは、偏見に立ち向かう勇気です。
アティカスは、無実の黒人を裁くことは罪であると訴え、先入観を持たずに証拠に基づいて判断することを求めます。
また、物まね鳥(モッキンバード)を殺すことは罪であり、無害な存在を傷つけてはならないというメッセージも込められています。