作品データ
原題
The Treasure of the Sierra Madre
ジャンル
クラシック
監督
ジョン・ヒューストン
出演
フレッド・C・ダブズ:ハンフリー・ボガート
ハワード:ウォルター・ヒューストン
ボブ・カーティン:ティム・ホルト
ジェームズ・コーディ:ブルース・ベネット
パット・マコーミック:バートン・マクレーン
ゴールド・ハット:アルフォンソ・ベドヤ
白いスーツの男:ジョン・ヒューストン
宝くじ売りの少年:ロバート・ブレイク
製作国
アメリカ
公開年
1948年
上映時間
125分
あらすじ
ここからは、ネタバレ多少あります
1920年代のメキシコ。
貧しいアメリカ人のダブズは、港町タンピコで物乞いをして暮らしています。
同じ境遇のカーティンと出会い、老人のハワードからシエラ・マドレ山脈に金脈があると聞きます。
3人は一獲千金を夢見て山に向かいますが、金を掘り出すうちに欲に目がくらみ、仲間を裏切ろうとする人間が現れていきます。
ダブズが何度も物乞いをするお金持ちの役で監督のジョン・ヒューストンがカメオ出演していて、老人役のウォルター・ヒューストンと親子共演をしているところも見所の一つになっています。
鑑賞後の感想
最初は富を得るために、3人で仲良く協力しあっていましたが、金を得て資産を持っていくにつれて、3人の中から欲に目がくらんで、独り占めしようとする人間が現れ、争い合うようになっていく様子がリアルに描かれていて面白かったです。
興味を持たれた方は、ぜひご覧になってみてください。
物語
ここからは、多くのネタバレがあります
時は1920年代のメキシコ。
メキシコ革命の混乱はほぼ収まっていました。
しかし、地方では山賊がはびこり人々を脅かし続けていました。
革命後の新しい政府により、地方の統制と山賊の排除は、フェデラルズと呼ばれる連邦警察に任されていました。
ダブズ、ハワード、カーティンの3人は、メキシコの港町タンピコで出会い、運良く資金を調達し、一攫千金を夢見てシエラ・マドレ山脈の山中に金鉱を求めて旅立ちました。
3人は途中で、ゴールド・ハット率いる山賊の列車襲撃に遭いながらも切り抜けることが出来ました。
列車の旅を終え砂漠に出ると、これまで老人然としていたハワードは、屈強で知識豊富な山師であることを二人に見せつけていきます。
ハワードの活躍で金鉱が見つかり砂金が掘り出されていきますが、黄金の魅力にとりつかれたダブズは次第に冷静さを失い、仲間を信じられなくなっていきます。
そして金を独り占めしたいと思うようになっていきました。
コーディという一人旅の男が現れ仲間に入れてほしいとやってきている途中、ゴールド・ハットたちが今度はフェデラルズのふりをして接近してきました。
警察の証のバッジを持たない山賊の正体を男たちは見抜き、銃撃戦となりました。
コーディが銃弾に倒れ、形勢が不利になったと思われたところで本物のフェデラルズが現れ逃げる山賊を追いかけていき3人は難を逃れました。
やがて、砂金の生産が減り、十分な金を手にした3人は、山を下りる決心をします。
ロバを引いて歩いている途中、インディオの少年を助けたハワードは村人に礼を受けるため、村に連れて行かれることになります。
そのため、2人とは一時的に別れることにします。
ハワードを裏切り金を山分けにしようと言うダブズと、カーティンはついに対立します。
勝負に勝ったダブズは瀕死のカーティンを残して町へと向かおうとしますが、ゴールド・ハットに遭遇し、ロバを盗まれ殺されてしまいました。
一方、カーティンは一命を取りとめハワードと村で再会することが出来ました。
2人はダブズを追って町に着きますが、既にダブズは死に、ゴールド・ハットたちも処刑されたと知らされます。
そして砂金が捨てられた場所へと辿り着くと、風で砂金が飛んでいってしまいました。
全ての冒険と苦労が無になってしまいましたが、“金が自然に帰っていく“と、楽しそうに2人は笑いました。
その後、ハワードは医者として村に残ることにし、カーティンは、コーディの妻がいる果樹園にいくことになり、それぞれ馬で向かっていきました。
ネタバレ含む感想
ダブズが金を取り3人の資産が増えるに連れて段々と欲深くなって資産を独り占めしようとして破滅していく様がよく描けていると思いました。
人間が、資産を持ったときの欲深さについて老人のハワードが二人に出会った当初に語っていた通りの展開になっていって面白かったです。
最後、金が風に飛ばされ“自然に帰っていく“とハワードが楽しそうに言い、カーティンと二人で笑うところが清々しくて良かったです。
まとめ
「黄金」は、監督ジョン・ヒューストンによって制作されました。
1920年代のメキシコを舞台に、3人のアメリカ人山師たちがシエラ・マドレ山脈で金鉱を探し求める冒険に挑みます。
彼らは金鉱を発見し、砂金を掘り出しますが、黄金の魅力にとりつかれた一人の男は次第に冷静さを失い、仲間を信じられなくなります。
欲望と人間の心の変化を描いた作品です。
この映画は、第21回アカデミー賞でジョン・ヒューストンが監督賞と脚色賞を受賞し、実父ウォルター・ヒューストンが助演男優賞を受賞しています。
この映画は、金銀財宝への執着という普遍的なテーマを丁寧に描いており、人間の欲望と葛藤を描いた名作です。